静電気について
キレイな空気で暮らすための知恵
静電気の知識と対策
冬にドアノブを触った時や、衣服を脱いだ時などに「静電気」でビリっと感じた経験がある人は多いと思います。静電気によるビリっと痛むのは、右図のように電子のバランスが崩れたことによって起こるのです。これから解説する静電気について理解すれば、静電気で不快な思いをせずに快適に暮らすことができます。
物質は+の電気と−の電気を持っていますが、こすったりぶつかったりすると電気が移動します。+と−のバランスが崩れてどちらかを多く保っている状態を「静電気」と言います。人間の身体は+の電気がたまりやすい性質を持っているので、−の電気がたまりやすいものに触ると人間の身体に−の電気が流れ込んできて軽い感電を起こします。この時にビリビリっと電気を感じて痛みを感じるのです。
物質の性質や種類によって、+(プラス)に帯電しやすいか、−(マイナス)に帯電しやすいかが異なります。人間の身体は、帯電列を見てみると、+側に寄っています。反対に、部屋の壁の仕上げによく使われるビニールクロスの元となる塩化ビニルは、−側に大きく寄っているので、人間の身体と塩化ビニルの壁の間では、とても大きな静電気が発生しやすい状態になっていると言えます。
部屋の中に舞っているホコリや汚れは、実は静電気によって壁に吸着されてしまいます。テレビ画面や電化製品にホコリが吸着していると言われると容易に想像ができますね。それらと同じように、壁・床・家具などに帯電しやすい素材が使われていると、部屋の全体にホコリが引き寄せられ、壁や床や家具にはホコリがたくさん付着しているということになります。
静電気が起こりやすい・起こりにくいはあるのでしょうか?実は、それぞれの物質において、帯電列の位置が近い関係であると帯電は小さく、位置が遠い関係であると帯電は大きくなるということがわかっています。つまり、木材と麻とを擦り合わせても小さな帯電ですが、ナイロンとポリエステルを擦り合わせると大きな帯電が起こるということになります。
床のホコリを繰り返し掃除しても、またすぐに溜まってしまうのは、ホコリが壁に吸着しているからなのです。壁や天井・ドアなどの建具には、ホコリが静電気でくっついたままになっており、絡み合い大きく成長したホコリが重みで床へと落ちたり、人の動きによる空気の流れにより空気中に舞い上がるというサイクルを繰り返しているのです。
ホコリは、空中に浮遊すると8〜10時間かけて地上に落ちると言われています。空中にホコリが舞っている状態で掃除をするとすぐにまた床にホコリが溜まってしまうのです。掃除は朝一番、もしくは長時間のお出かけの直後が適していると言えます。また、先に水拭きをしてホコリが舞にくくしてから掃除機をする方がより効果的に掃除ができるのです。
帯電列を見てわかるように、木や紙などの自然素材は静電気を起こしにくい性質を持っています。ホコリの舞い方は通常のビニールクロスの部屋と、自然素材で作られた部屋で比較すると驚くほどの差があります。
壁や床や洋服が静電気を起こしにくい素材で生活すると、ホコリは吸着しないため最終的に壁にぶつかり、そのまま下に落ちて壁際にホコリがたまります。部屋中に常に見えないホコリが充満しているのが当たり前をいう生活が嘘のように改善します。
天然スイス漆喰は調湿性があるため、常に水分が壁に含まれていることや、天然の本漆喰なので静電気が起こりにくい性質を持っています。家の中の壁に静電気を帯びさせないという大きなメリットがあり、ホコリは壁にぶつかっても吸着されにくく、そのまま壁際に落ちます。