私たちは2人目の子どもが生まれてから、都会でのマンション暮らしから自分たちが思い描く暮らしを叶える住まいを構えようと思い立ちました。
でも、私たちには分からないことだらけ。子どもを寝かしつけてから夜な夜なネットで検索したり、休みの日には家族で住宅展示場や工務店のイベントにも足を運んだりしました。
しかし立派なモデルハウスを見ても、自然素材を取り扱う工務店さんのイベントで実際のお客様が住むお家に見学に行っても、私たちが「これだ!」と思えるものに出会えない日々が続きました。
なかなか家づくりが前に進まない状況の中、以前パティシエとして勤めていたお店に塗られていた、スイスウォールの壁や無垢フローリングの空間で気持ち良く過ごしていたことを思い出し、素材感があるものや自然素材をなるべく取り入れるという、家づくりの方向性はしっかりと固まっていきました。
そこで、建築関係の仕事をしている友達に相談してみたところ、「設計事務所での家づくりも選択肢に加えてみては?」と言われ、敷居の高いイメージがあった設計事務所のホームページも色々と見てみました。仕事終わりに夫が何社か実際に話しを聞きに行って絞り込み、自分たちの今の家づくりが実現することになりました。
設計事務所との打合せも気付けば2年近く経過して、ようやく家が完成しました。色々な打合せがありましたが、内装の仕様に関しては一貫して本物の自然素材を使うということを、設計事務所も施工会社も、現場の職人さんまで優先事項として捉えてくれていました。そのおかげで栗の無垢フローリングにリボス自然健康塗料を、壁にはスイスウォールを塗り、そしてスイスウォールを塗らなかった部屋は施工会社が勧めてくれたオガファーザーを使用しました。スイスウォールを塗った部屋も天井をオガファーザーにしましたが、素材同士の違和感がなく相性も良いようです。
スイスウォールを塗る日に、仕上げパターンをどうするのか職人さんと打合せをし、日本の漆喰のような平らで均一なパターンではなく、コテでラフに塗った跡を自然な形で残すことになりました。
既にこの家で春から夏を過ごしましたが、梅雨時期も夏休みの頃も室内のじめじめとした感じは全くなく、とても良い空気の中で暮らしている実感があります。入居した時も新築特有のにおいは全然なく、小学生の娘のお友達が家に来た時に「この家いいにおいがする!」と入ってくるなり言われたりすることもあります。
今は無垢のフローリングや外の植栽のお手入れなどがとても気になっています。スイス漆喰の壁に関しては入隅(*2つの壁面が出会った所の内側)部分に、家の動きがあったりすると割れることがあると説明を受けましたが、今のところ割れは出てきてはいません。
ただ、壁の出隅(*2つの壁が出会った所の外側)はうっかり尖ったものをぶつけると剥がれてしまったことがあってハッとしましたが、自分でも簡単に直せるそうなので時期を見て自分でやってみようかと思っています。スイス漆喰は自分で簡単に手入れができるのも、長くて丁寧に暮らせそうで気に入っています。
住まいが戸建てになったことで周囲に気兼ねせずに子どもたちが走り回れるようになったことはもちろん、限られた選択肢の中で住宅選びをしていた段階から、設計事務所や施工会社の提案で少しずつ情報を得ながら家づくりの可能性を広げられたことは、私たちにとって幸運なことでした。
最後の方はまだ選ぶものがあるのかと少し気が遠くなった時もありましたが、内装を自然素材にこだわったことで見た目にも体感的にも満足ができ、家族と気持ちの良い暮らしを楽しんでいます。