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【漆喰壁】定番パターン&自然素材をプラスしたアレンジ

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2020.10.29

近年、新築やリノベーションの際に塗り壁を希望する人が増えています。

 

素材の良さや機能性で選ばれるのはもちろん、DIYで仕上げたり壁紙とは違った雰囲気を出せたり、建築デザインやインテリアにあわせてこだわって選ばれます。

 

塗る人や使う材料・道具によって様々な模様を作り出すことができる塗り壁。 天井と壁の仕上げパターンを変えたり、部屋によって模様や色を使い分けたりすることで、同じ素材でも仕上がりの表情をいくつも楽しむことができます。

 

この記事では、漆喰を使った定番のパターンと漆喰に自然素材を加えるアレンジ方法で表情や色彩が豊かになる塗り方を紹介します。

 

仕上げパターンのバリエーション

塗り壁の仕上げには使う材の種類や量によって、それぞれ最適なパターンがあります。 例えば、2〜3ミリ以上の厚みのある塗り壁は、表面に陰影をつけやすく、ダイナミックなパターンを作ることができます。2ミリ以下厚みの塗り壁では、繊細で柔らかいパターンが適しており、厚みが薄いため熟練の技術が必要です。

 

塗り壁はコテで作業することが多く、材質、サイズ、形など種類は豊富にあります。道具にこだわることで独自のパターンを作り出すことができ、より美しく仕上げることができます。 使う材料だけでなくどのような仕上げパターンにするのかで、必要量や作業量、職人のレベルなども変わりコストにも反映します。

 

現在は、塗り壁のパターンの選択肢は広がり伝統的な方法だけでなく、より現代の家づくりに合わせた仕上げ方法が増えています。

 

【漆喰壁】定番パターン

スイス漆喰は、純度の高い高品質な石灰を原料として半年以上かけて熟成されており、 透き通るような白さが特徴です。表面は骨材の手触りを感じられますが、2〜3m離れて見ると滑らかな質感へと表情を変えます。

 

漆喰はアルカリ性が強いことからカビや菌の発生を抑えるとされ、家づくりだけでなく大事なものを保管したり人が多く集ったりする歴史的な建物にも使われてきました。 伝統製法で作られた本漆喰は厚みを薄く、繊細で美しい壁に仕上げることができます。

 

特殊な黒漆喰などの技法を除けば、石灰そのものの自然な白さを生かす仕上げパターンが好まれます。

 

定番①フラット仕上げ

漆喰といえばお城や昔の建物で見られる、平らな仕上げをイメージする方が多いでしょう。 コテ跡のないフラット仕上げは材料を多く使い、漆喰を丁寧に塗り重ねていく職人の技術を必要とします。 表面が均一になることで高級感が増し、モダンで統一感のあるインテリアにふさわしい仕上げです。

 

少し大きめの骨材が入っている漆喰なら、上の画像の様に少しコテ跡が残る程度のフラット仕上げをおすすめします。漆喰ならではの質感を出せ、完全なフラット仕上げの様に材料を贅沢に使うこともありません。

 

定番②ウェーブ仕上げ

コテ波のついた柔らかな表情が特徴で、雰囲気の良いカフェやレストランなどでも見かけるおしゃれな仕上げです。 インテリアのスタイルに合わせてコテ波の大きさや規則性を変えることで、色々なバリエーションを展開することができます。

 

バリエーションの中に「扇模様」がありますが、規則的なパターンは熟練の技術が必要です。

 

定番③ラフ仕上げ

漆喰以外でもよく使われるラフ仕上げは、インテアリアのスタイルを選びません。壁に立体感が生まれるので、スイス漆喰でも特に人気のパターンです。 規則的ではなく自由に塗ることができ、デザインは唯一無二です。

 

塗りっぱなしで仕上げるため、作業性も良く材料を効率良く使用できる点もおすすめです。 DIYでプラスチック製や木製のコテを用いてオリジナルパターンに仕上げることができ、補修跡も目立ちにくいので簡単にメンテナンスできるのも特徴です。

 

この3パターン以外にも、コテで材料を塗り広げた後にハケやブラシでパターン付けを行う、ブラシ仕上げも DIYでオリジナルパターンに仕上げやすく人気です。

 

【漆喰壁】自然素材アレンジ

日本の漆喰の原材料には、水や消石灰以外にも壁の収縮を抑える目的で骨材と呼ばれる砂や、作業性を上げたりひび割れを防止したりするためにワラやスサが入っているものがほとんどです。スイス漆喰は「再石灰化」という自然の力で固まるため、不純物は入っていません。 300年以上変わらない伝統製法で作られているスイス漆喰は、実際にスイスでどのような使われ方をしているのでしょうか。

 

日本とはまた違った漆喰文化を持つ、本場スイスでの自然素材を使ったアレンジの事例を紹介します。

こちらは、イケダコーポレーションが20年以上に渡って開催している「エコバウ建築ツアー」で訪れたスイスでも人気のレストラン&宿泊施設です。

 

半地下にあるカフェは、地上から差し込む太陽光が漆喰壁に反射し、自然な明るさをもたらします。夜には照明の柔らかな光が壁に陰影を作り空間をあたたかく演出してくれます。 丸みを帯びた壁と天井が一体化されたデザインの室内は、スイス漆喰のフラット仕上げならではのツヤむらで独自の質感になっています。

こちらの寝室は、スイス漆喰に自然素材のスサを入れ、オレンジの顔料とランダムに混ぜながら、やわらかな印象のマーブル調に仕上げた事例です。 スイス漆喰はアルカリ性が高いので濃い着色には向いていませんが、自然な淡い色彩を表現するにはぴったりの素材です。

 

ソープフィニッシュと呼ばれる手法で、スイス漆喰を塗装した上から液体のソープワックスで磨くことで、骨材部分が削られて浮き出ます。また、滑らかでツヤのある仕上がりになります。※画像は顔料をランダムに混ぜています。

 

スイス漆喰に雲母(うんも・鉱物)を混ぜると、見る角度によって壁がキラキラと光ります。 木や繊維などはアルカリ性に弱いので滲みや、アクが出る場合がありますが、石や砂状の鉱物などはスイス漆喰とも相性が良くおすすめです。

 

家族が集まるリビングに、グリーンのマーブル壁をアクセントウォールとして採用した事例です。 着色をした際に均一に仕上げるのもインテリアに統一感が出て良いのですが、スイス漆喰と鉱物顔料をランダムに混ぜて世界で1つしかない色彩の壁を楽しむことができます。

スイス漆喰には骨材(石灰粒)が含まれています。内装によく使われるスイス漆喰は滑らかな表情に仕上がるカルクウォール0.5mmですが、より素材感を出し高級感を演出するには、少し粗めの骨材が含まれたカルクウォール1.5mmを使います。

 

※塗った時の厚みが1〜2mmになるため、素材を混ぜるときにはしっかり密着するか試し塗りをして本番に臨みましょう。

 

最後に

環境や健康について考える上で、住まいはとても重要です。住宅に自然素材を採用することは難しいという印象があるかもしれませんが、素材にこだわりを持つことで、デザイン性だけでなく、遮熱性や調湿性などの機能も実感できます。

 

最近では、お施主さんが壁の仕上げをDIYすることも増えています。家づくりに積極的に参加することで素材について深く知ることができ、より家に対する愛着もわきます。 素材にこだわり好みのデザインや色を取り入れて、快適で健康に暮らせる家にしたいですね。