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健康と快適性を考えた塗り壁材の選び方

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2020.08.11

家の中で最も広い面積を占め、住む人の快適性に大きく影響するのが壁です。

 

壁に使われる仕上げ材の種類は、塗り壁以外にも壁紙や塗装、板張りなどがあります。その中で、塗り壁が選ばれる理由にはビニールクロスや塗装にはないやわらかな表情や素材感、調湿性・消臭などの機能性にあります。

 

しかし、塗り壁材にはたくさんの種類があり、何を基準に選べば良いのか迷うことがあります。

 

この記事では健康で快適な家づくりをテーマに、塗り壁材を選ぶポイントを紹介します。

塗り壁材の種類

 

家づくりでよく使われる塗り壁材には、それぞれメリットとデメリットがあります。健康で快適な家づくりを目指すのであれば、合成樹脂をほとんど含まず機能性のある自然素材の塗り壁材がオススメです。

表 塗り壁材の種類

まず、合成樹脂系の塗り壁材は塗り壁の色や仕上げパターンなどの幅広いデザイン性を楽しむための素材で、漆喰や珪藻土が持つ調湿性・消臭などの機能性はありません。漆喰と珪藻土は合成樹脂系の塗り壁材よりも表面強度は落ちますが、自然素材ならではのあたたかみのある質感や調湿性などを実感するというメリットがあります。

 

では、漆喰と珪藻土の大きな違いは何でしょうか?それは、壁にしっかりと接着するために「結合材を必要とするか?」という点にあります。漆喰は素材自体が固まる性質なので結合材は不要ですが、珪藻土には固めるための結合材が必要です。珪藻土の調湿性は漆喰よりも高いのが特徴ですが、結合材に合成樹脂が含まれることで調湿性が落ち、カビの原因になります。

 

珪藻土を選ぶ時は、結合材の成分にも注目しましょう。

 

日本の漆喰は1300年前より、土壁や木などの自然素材と共に建築の仕上げ材として使われてきました。ところが1960年代に高度経済成長による住宅建設ラッシュが始まると、自然素材よりもビニールクロスや合板などの新しい仕上げ材が使われるようになりました。

 

以後、塗り壁材にも約40年前に合成樹脂系の塗り壁材が、新しい選択肢として加わっています。一方、古い建物を改修して住み続けるヨーロッパでも、もちろん合成樹脂系の仕上げ材もありますが、漆喰の歴史が日本よりもさらに長く3000年以上ともいわれます。日本よりも20年早くシックハウスやエネルギー・環境問題に着目し、漆喰が安全で耐久性のある仕上げ材として今も変わらず選ばれ続けています。中でも天然スイス漆喰は300年以上前の伝統製法を守り、健康な家づくりに欠かせない素材として、本国以外でもドイツやフランスなどの近隣諸国でも採用されています。

 

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天然スイス漆喰・カルクウォールの特徴とは?

 

それでは、実際に天然スイス漆喰を取り入れた家に住んでいる方は、どのようなことを実感しているのでしょうか。ユーザーボイスを交えて、天然スイス漆喰の特徴を紹介します。

 

No.1!  ☆ 調湿性 ☆

「湿気が気にならず年間を通じて過ごしやすい」
「部屋干しした洗濯物が乾きやすく嫌なにおいもしない」
「冬に喉が痛くて目が覚めるということがなくなった」

天然スイス漆喰の良さが実感できるユーザーボイスとして、最も多いものが調湿性に関することです。以前に暮らしていた家で梅雨時のジメジメした室内や冬場の乾燥に悩まされていた人は、特に実感しやすいようです。

 

新築だけでなくリフォーム時にも、「結露とカビに悩まされている」という理由で天然スイス漆喰を選ばれることも多く、実際に改善されたというお声もあります。

 

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No.2!  ☆ 消臭効果 ☆

「あまり臭いが残らないので気軽に焼肉や鍋を楽しめるようになった」
「新築特有のにおいが全然しなかった」
「来客時にペットの臭いを気にすることがなくなった」

以前より建材などから出る接着剤や塗料に含まれた化学物質の規制は進んでいますが、未だに新築の臭いに悩まされるケースは後を絶ちません。身の回りのにおいや化学物質に反応しやすい人にとっても、成分的にも安心してオススメできるのが天然スイス漆喰です。

 

消臭効果については「意外と気になる部屋のニオイ」で、詳しく解説しています。

 

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No.3!  ☆ 反射効果 ☆

「日中に照明をつけることがあまりない」
「間接照明の光がきれいに広がりあたたかみを感じる」

漆喰は内装材の中でもとても反射率が高く部屋を明るくし、店舗や部屋を広く見せたい時にも選ばれる素材です。天然スイス漆喰は砂を含み表面に微細な凹凸があることで、光の当たり具合により壁に陰影を与える素材でもあります。

 

天然スイス漆喰の白さは化学物質などで合成され着色された無機質なものではなく、無垢材の建具や家具などのインテリアを明るくやわらかな光で包みます。

 

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最後に、塗り壁材は何のために塗るのかで選ぶ材料も変わりますが、いずれの材料を選んでも「割れ」と「汚れ」はつきものです。天然スイス漆喰であれば、表面の汚れや小さなひび割れ・剥がれを自分で補修することもできます。

 

自分の手でメンテナンスを施し、大切に丁寧に住まうことで家に愛着がわきます。また、経年変化も楽しめ一生住み続けたい家になります。

 

快適で健康に暮らすために壁に使う素材もこだわって選びたいですね。

 

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